2013年07月03日

削られる残り時間。

病室に戻り家族で座っている。

父は時折、咳き込むように吐血をし
口元に血が溜まると看護婦さんを呼び
拭って貰うの繰り返し。

家族はなすすべなくただただ座っている。

素人目に見ても規則性の無い心電図の動きは
正常な状態ではない事はわかった。
一定のリズムを保っているかと思えば
咳き込む際には怖くなるほど乱れる。

それでもついさっき予定通りの説明を受けたばかり

「残された時間1年からこのアクシデントが
 どれだけの時間を削っているのだろうか?」

そんな事を思いながら止血剤が効いて
回復するのを待っていた。


しかし削られた時間はボクらの想像を遙かに超えていた。



心電図の動きはドンドン乱れ
赤い表示が目に付くようになる。

母は看護婦さんに
「もし連絡を取りたい人がいたら
 呼んだ方がいいかもしれません」
と告げられかなり動揺している。

まさかそんな事を言われる状況になると
思っていなかった母は親族の連絡先を控えた
電話帳を持ってきていなかった。

「親族に連絡を取った方がいい」という事は
状況が回復しても残された時間は少ないハズだ。
ならば目を覚ました時には母が居た方がいい。
そう思いボクが自宅へ電話帳を取りに行くことに。

病室を出ようよするやいなや
お医者さんがやってきてボクの行く手をふさぐ。
「行かないでください。」と。

その時にやっと事態が把握できた。
今朝の急変で削られた残り時間はもう無かったのだ。

事態を把握した時から間を置かず
心電図の波は消えていった。


posted by shin at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 1.父が亡くなるまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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